検証

OTAのNJM13600、NJM13700を使ってみる実験
NJM13600/NJM13700の基礎実験
記事を開くVCA / 完成
NJM13700Dを使って2017年に設計し、2020年にEurorack化して完成した2チャンネル・リニアVCAです。

Eurorack
Dual OTA VCAは、NJM13700Dを使った2チャンネルのリニアVCAです。2017年に回路と基板を設計し、同じ基本回路を2020年にEurorackへ実装して完成しました。
各チャンネルは独立したAudio IN、CV IN、Audio OUTを持ち、音声信号の振幅をCVで制御します。この記事では、2016年のOTA基礎実験から2017年の設計、2020年のEurorack実装までを扱います。
後続の再設計版は別プロジェクト「13700VCA」であり、この記事の対象には含めません。
NJM13700Dを1個使用し、内部の2つのOTA回路で2チャンネルを構成しています。両チャンネルは同じ基本構成で、それぞれに次のコントロールと端子があります。
Audio入力レベル、CVレベル、CV LPFはチャンネルごとに調整できます。各チャンネルのCV入力は1系統です。
Audio INへ入力した信号は、IN Levelでレベルを調整してからAC結合し、NJM13700DのOTAへ送ります。OTAで振幅を制御した信号はNJM13700Dの内蔵バッファを通り、Audio OUTへ出力します。
CV INへ入力した信号は、CV Levelでレベルを調整します。その後、NJM4580によるボルテージフォロワ、1次RC LPF、もう一段のボルテージフォロワを順に通ります。
LPF後段では、NJM4580とPNPトランジスタの2SA1015を組み合わせた電流源で制御電流を生成し、NJM13700DのAMP BIAS INPUTへ入力します。NJM4580は3個を使用し、2チャンネル合計で6回路を使っています。

2017年設計のDual OTA VCA回路。回路図のシンボルはLM13600Nですが、実装にはNJM13700Dを使用しています。設計時の電源表記は±5Vで、2020年のEurorack実装では±12Vで使用しました。
CV LPFは、マイコンのDACで生成したEnvelope波形を滑らかにする目的で設けた可変の1次RC LPFです。LPFの前後をボルテージフォロワでバッファし、パネルからLPF量を調整できます。
このLPFはCV経路にあり、Audio信号へ直接掛けるフィルターではありません。
2016年の基礎実験では、NJM13600/NJM13700を使った回路を試し、NJM13700でVCAを構成できることを確認しました。OTA内部では微小な電圧・電流を扱うため、Audio入力レベルを上げると歪みが増えます。
Dual OTA VCAでは、この歪みを完全に排除するのではなく、入力レベルによって変化するアナログ的な特性として利用する方針にしました。

2016年にブレッドボードで行ったNJM13600/NJM13700の基礎実験。
ブレッドボードでOTAの動作、入力レベルと歪みの変化を確認しました。この実験がDual OTA VCAの基礎になりました。
NJM13700Dを1個、NJM4580を3個、2SA1015を2個使用する2チャンネル回路を設計し、基板化しました。次の画像は、試作時に確認した振幅変調波形です。

2017年のDual OTA VCA試作時にオシロスコープで確認した振幅変調波形。
2017年版と同じ基本回路をEurorackへ実装し、±12V電源で使用するDual OTA VCAとして完成しました。Hero画像はモジュールの斜め外観、次の画像は基板とパネル配線を確認できる別アングルです。

2020年に2017年版の基本回路をEurorackへ実装したDual OTA VCA。基板とパネル配線を背面側から見た状態。
旧Dual OTA VCAの回路図、基板データ、BOM、SPICEデータなどをGitHubで公開しています。
公開資料には設計途中のデータも含まれるため、製作時には各ファイルの内容と版を確認してください。
GitHub